日本画の修復
日本画とかび
日本画は紙や絹の上に描かれた後、表具師によって裏打ちされ、表具や額装に仕立てられる。かびの栄養となる糊が大量に使われるため、湿度の高い環境では、フォクシングと呼ばれるしみが発生する。しみによりせっかくの名画が台無しになったという事例は珍しいことではない。
かびはまずガス燻蒸により殺菌し、胞子まで退治する。
しみ抜きは描画に用いられた素材を詳しく調査し、安全な薬品を用いて行う。
修復の終了した絵画は清潔で湿度を調整した環境に保存することが望ましい。
日本画/絹(部分) 修復前(クリックで拡大)かびに起因した茶色のしみが発生した。
修復後(クリックで拡大)しみは軟水及び絹に安全な薬品を調合して除去された。
日本画に発生したかび、しみ、結晶
1. かび顕微鏡写真(x10)
2. 結晶(x20)
3. しみ(x10)