科学的手法による絵画調査
美術品の調査は、肉眼による詳細な観察に加え、さまざまな機器を駆使して科学的に行われる。作品の損傷部や過去の修復の状態、画家の制作の過程や技法の秘密が明らかにされ、素材についてのより的確な情報がもたらされる。できるだけ多くのデータおよび資料をもとにして修復の方針が確立される。
X線による検査
X線による検査では、支持体の構造、描法、下に描かれている絵の構造がわかる。
岡田三郎助作「婦人像」X線写真
(クリックで拡大)
裏面
傷はキャンバスの小片を裏から貼りつけて修理してある。
鉛白の存在を示す樹状結晶化学分析
極微量のの絵具の試料を絵の重要でない部分から採取し、試薬を使って顕微鏡下で分析する。
さらに機器分析を行う場合もある。
最近は検体を採取しなくてもすむ非破壊分析法も進歩している。
双眼顕微鏡による検査
絵の表面を7倍から40倍に拡大し観察する。補彩、筆使い、亀裂などを調べる。
斜光による検査
横光線になるように絵に光をあてて観察する。絵具の浮き上がりや画面の歪みが把握できる。
赤外線照射検査
赤外線を画面にあてると、補彩や、下層にある図柄がはっきりわかる。
紫外線照射検査
紫外線をあてるとニスや絵具が固有の蛍光を発する。肉眼ではわからない絵の最上層の補彩がわかる。

HOME
前のページへ