SEASON1-1

株式会社 絵画保存研究所

Art Conservation Lab.

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更新日 2014-11-07 | 作成日 2008-04-01

SEASON1 第一回目 

はじめに 

. 美術品の寿命を長く保つには、人間の健康と同じように、周りの環境を整え、危険な症状を早く発見することがとても大切です。美術品は物質で出来ている以上、遅かれ早かれ劣化の症状が起こってくるのが宿命です。しかし、環境を整えてなるべく損傷を予防し、危険症状を早期発見し、適切な修復を行っていくことで美術品を長く良い状態に保つことができます。所蔵家の皆さんに美術品に関する正しい知識を得ていただき、より良い保存に役立てていただければと願っております。
 

  1. 環境について 
    • 美術品の展示や収納の場所において、光と温湿度を調整し、大気汚染物質などの有害ガスを遮断する工夫が必要になります。美術品の種類によって、温湿度や照度の適正値は異なります.。
  2. 修復について 
    • 修復は、トレーニングを受けた専門家によって行われます。美術史家、科学者、修復家が協力して問題の解決にあたる場合もあります。修復家は、修復作業に入る前に、まず写真記録を撮り、素材及び技法の調査を行います。次に、状態の記録を作成してから処置の概要を決めます。
  3. 修復の基本理念
    • 美術品は、一定のサイクルで修復が繰り返されるので、修復に用いる素材は、必要なときにはいつでもオリジナルを傷めずに簡単に除去できるものが選ばれます。

messina.jpg保存状態によっては、大切な絵にこのような亀裂がはいってしまうことも・・・(クリックで拡大)