SEASON1 第二回目
文化財保存の歴史
文化財の保存は昔から行われていましたが、傷の処置に限られており、画家や職人によって行われていました。修復分野に変化が起きたのは、18世紀終わりから19世紀初め頃です。この頃には、科学の進歩により素材への理解が進み、1896年にはレントゲン氏によって絵画にX線撮影が導入されました。徐々に科学・美術史・修復の専門家が協力して修復を行うようになり、20世紀初期までに、大きい美術館や公共施設に修復部門が設立されました。また、国際会議も開催されるようになりました。
- 1921
- 大英博物館の研究室設立(英)
- 1925
- ルーブル博物館の研究室設立(仏)
- 1927-28
- フォッグ美術館の研究室設立(米)
- 1946
- 1950
日本の場合は、戦前は画家たちが修復を行っていました。1960年代に入ってから、科学的手法を取り入れた近代的修復方法が行われるようになりました。
関連会議の発足は西欧の活動に追従しています。
- 1897
- 古社寺保存法制定(1929年の国宝保存法施行に伴い廃止)
- 1933
- 古美術保存協議会発足
- 1950
- 文化財保護法制定(施行に合わせ、1919年制定の史跡名勝天然記念物保存法、1929年制定の国宝保存法、及び1933年制定の重要美術品等ノ保存二関スル法律は廃止)
- 1975
- 古美術保存協議会を古文化財科学研究会と改名
- 1992
- IIC-JAPAN発足
- 1996
- 古文化財科学研究会を文化財保存修復学会と改名