SEASON2 第十五回目
掛軸の取り扱い
今回は、掛軸の取り扱いについて取り上げます。
掛軸を掛けるときは、まず、掛軸を箱から取り出し、平らなところで上部を開き、収めてあった風帯をのばします。それから、巻緒を下座の方に寄せ、片方の手で軸を支えながら、もう一方の手で矢筈を使って掛緒を吊り金具に掛けます。その後、両手で軸首を持ってゆっくりと広げていきます。
掛軸をしまう時は、掛けられている状態から巻いていく場合、まず掛軸の軸首を持って下からやわらかく巻いていきます。このとき、縁が揃うように気をつけます。太巻軸がある場合は、折れや歪みを少なくするために、本来の軸の上にそれをかぶせてから巻きます。絵の部分が巻かれて上部に手が届く状態になったら、片手で巻いた部分を支え、もう一方の手で矢筈を使って掛緒を外して机などの平らなところに置きます。そして、風帯を収めて巻き終えます。
それから、巻緒を巻く部分に巻紙を挟み、巻緒を掛緒の中央に持ってきて、巻紙の上から巻いていきます。通常、巻緒は隣り合うように巻いていきますが、交差するように巻くこともあります。3回軸に巻きつけたら、巻緒と掛緒が交差する巻き終わりの部分を左手の親指で押さえ、巻緒を掛緒にくぐらせて輪にし、すでに巻きつけた紐を横切らせて反対側の掛緒の下に差し込みます。巻緒の輪を引っ張って締め、左右の巻緒の端が同じ位の長さになるように調節します。
収納の際は、柔らかい紙又は布に包んで木製の保存箱に入れます。