SEASON2 第七回目
日本画の技法①(大和絵、水墨画、金銀)
今回は、日本画の技法のうち、伝統的な技法についてご紹介します。
伝統的な日本画は、和紙、絹地、板を支持体とし、これにドーサをひいた後、顔料を膠で溶いたもので彩色して制作されます。
伝統的な日本画例。源氏物語絵巻(クリックで拡大)
- 大和絵の技法
- 12世紀の源氏物語絵巻などにみられる技法は、伝統的彩色日本画の手本とされるものであり、現代も基本として学ばれています。彫り塗り、ぼかし、たらし込みの技法を用いて彩色されます。
彫り塗り |
初めに引いた描線を塗りつぶさずに線を避けて彩色する技法
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ぼかし |
濃い彩色部分から徐々に薄くしていく技法
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たらし込み |
絵具が乾かないうちに別の絵具をその上から垂らしてにじみを作り、独特の調子を出す技法
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- 水墨画の技法
- 室町時代に中国から招来し、もう一つの日本画の様式を形成しました。墨の濃淡のみで表現されます。片ぼかし、破墨、たらし込み、潤筆、渇筆の技法が用いられます。
片ぼかし |
薄い墨をまず筆全体に浸し、次に濃い墨を筆先につけて描画し、片側をぼかす技法
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破墨 |
薄い墨で描いた上に濃い墨で描いて立体感を出す技法
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潤筆 |
十分に墨を含ませた筆を用いて描く水墨画技法
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渇筆 |
墨を少しだけつけた筆を用いて掠れさせる水墨画技法
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a片ぼかし
b破墨
cたらし込み
d潤筆
e渇筆
(クリックで拡大)
- 金銀の使用
- 黄金の色は、永遠の象徴としての仏教表現に欠かせない素材でした。各時代で、絵画様式に合わせ金銀が使われ日本画の装飾性を高めました。箔置き、裏箔、切箔(野毛、截金)、砂子などの技法があります。
箔置き |
金箔や銀箔にあかしをして画面に接着すること。
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裏箔 |
柔らかい金銀の効果を得るため、絵絹の裏に金箔や銀箔を張ること。
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切箔(野毛、截金) |
金銀の箔を様々な形に切り、薄く膠をはいた地に振り落として装飾する技法
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砂子 |
金銀の箔を細かい粉にして蒔き、装飾する技法
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